「少しでもご実家を長持ちさせたい」とのご要望で屋根リフォームを行った新居浜市のＫ様邸。
せっかく仮設足場を設置したので前から気になっていた漆喰の壁の傷みを、これを機に塗り直して補修をさせた頂くことになりました。その際の様子をお届けします。
→Ｋ様邸で行ったリフォーム工事のまとめ（施工事例）はこちら

既存の漆喰壁を取り除きます。

まずは既存の漆喰壁の状態をご紹介します。
長年の経年劣化で漆喰は黒ずみ、ところどころ下地と漆喰の間が剥がれた状態（＝浮き）が見られます。


このまま上に漆喰を塗ってもすぐに剥がれてしまうので一度、漆喰を剥がします。
けっこう浮きが出てきていたので、わりと簡単に漆喰が剥がせました。

しっかりとした土台作りが大切です。下地の補強をおこないます

漆喰を剥がす際に下地の傷んでいたところも剥がしたので、そこをモルタルを使って補強します。
デコボコのない綺麗な漆喰壁に仕上げるためには欠かせない土台づくりですね。

ちなみにモルタルやセメント・コンクリート、なんとなくワードは知っているけど違いが良く分からないというお客様も多いので簡単に説明しておきます。

• セメントは粘土や石灰石・石膏などを焼いて粉末にしたものです。いわばモルタルやコンクリートの原料ですね。材料を接着させる性質を持ち水を加えると化学反応で熱を発しながら硬くなります。硬くなると同時に収縮を起こす性質があるため、セメントと水だけを混ぜ合わせたものだとひび割れを起こしてしまいます。
• モルタルはセメントに砂を混ぜ水を加えたものです。砂を混ぜることで柔軟性が生まれ装飾性が高く外壁や仕上げ材にも使用できます。またレンガやブロックの接着剤としても使用されます。コンクリートほどの強度はないので建物の基礎や構造体には使われません。
• コンクリートはセメントに砂＋骨材（砂利）を混ぜ合わせ水を加えたものです。強度が高く建物の基礎や柱や壁といった構造体に使われます。粘りが強く骨材が粗いために装飾性が低く仕上げ材としては不向きと言えます。
  

漆喰は二度塗りで仕上げます。

下地が乾いたら漆喰を塗りましょう。漆喰は一度で厚く塗ることが出来ないので、中塗りと上塗りの二回塗りで仕上げます。
まずは柱を汚さないように丁寧にマスキングテープを張って一度目を塗ります。（中塗り）
そして乾いたらマスキングテープを外して仕上げの上塗りです。柱の際まで丁寧に仕上げます。

ここで漆喰についても少しご紹介します。

今回の壁などに使う一般的な漆喰とは消石灰(石灰石を焼いて水を加えたもの)に糊やスサと呼ばれる繋ぎの繊維を混ぜて練ったものです。
漆喰壁は燃えないため古くから防火対策として大切な蔵やお城など壁に使用されてきました。
また「呼吸する壁」と言われ調湿機能に優れ「夏の湿気」や「冬の乾燥」から守ってくれます。
高気密高断熱の現在のお家の壁材としても非常に優れていると言えるでしょう。

そして屋根やさんが使う屋根用の漆喰というのもあります。
南蛮漆喰と言われ通常の漆喰に防水剤やシリコンを混ぜて防水性を高めた製品です。
通常の漆喰だと葺き土の表面に塗るのが一般的で、定期的に棟の漆喰の塗り直しのメンテナンスが必要でした。
しかし南蛮漆喰は葺き土の代わりを果たすので、葺き土を使わずに南蛮漆喰のみで仕上げることが出来ます。
そのため表面の漆喰が剥がれることがないので「棟の漆喰の塗り直し」のメンテナンスが不要になり経済的です。

どちらの漆喰もお家の強い味方ですね

漆喰壁の補修完成です。

漆喰の塗り直しが完了しました。傷みがひどく落ちそうになっていた漆喰壁が壁補修ですっかり生まれ変わりました。足場がないと難しい外壁の補修ですが屋根リフォームに合わせて一緒に行うことで足場の二度利用！まさに一石二鳥です。　　→足場は賢く利用しましょう！詳しくはこちら


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